新婚旅行、ギリシャ4日目にクレタ島で無事トレッキングを終えたものの、いつまでも来ないハニア行きのバスを待つ私たち。
現在時刻は18時半。
島の反対側まで戻って、21時出港のフェリーに乗船しなければ、翌朝のエーゲ海クルーズには間に合いません。
さあ、どうする?
先ほどからバス停の近くを何度もうろついていたタクシーが目に入ってきていました。
バスを待っていてもいつになるかわからないので、タクシーに乗車することにして、そのタクシーに声をかけてみます。
ハニアまで乗せてほしいと言ったら、ドライバーが躊躇しています。
本部に聞かないと、勝手にそこまで行っていいかわからないと言うのです。
なにしろ島の反対側まで行くことになるので。
確かに他にはタクシー見かけなかったしね。
こっちは多少お金がかかっても、とにかく21時のフェリーに間に合うようハニアまで連れてってくれさえすればいいのです。
そこで本部まで行き、こちらの事情も説明し、しばらく無線で他の車を探したりしていたでしょうか。
時間的に間に合う保証はない、というようなニュアンスでしたが、結局先ほどのドライバーに許可が下りて、ハニアに向かってもらうことになりました。
この時点で19時をまわっていました。
それでも乗る予定だったバスはまだ来ていないようだったので、やはりタクシーを拾った選択は間違っていなかったようです。
行きもハニアから内陸部のサマリア渓谷の入口までで1時間半くらいはかかっていたので、島の反対側に来ている今はハニアまでそれ以上の時間はかかるはず。
しかもハニアのバスターミナルで預けたスーツケースをピックアップしなければならないのです。
20時半は確実に回る、いや、間に合うのか……
実は乗せてもらったタクシーはシャレにならないくらいオンボロでした。
古くて窓の開閉も手動だし、あちこち壊れていて、日本ではこんな車にお客様を乗せるタクシーはいません。
これから車を飛ばしてスピードを出しても耐えられるのか、無事にハニアまで着けるのか……
そんなこちらの不安をよそに、ドライバーはすごく飛ばしてくれました。
しかも山道です。
猛スピードでクレタ島の夕暮れ時を山越えしていくオンボロタクシー。
またとない貴重な体験、ある意味で恐怖の体験、スリル満点でした。
そして無事ハニアに到着。
バスターミナルでスーツケースをピックアップし、フェリーに乗れたのは出港の15分前でした。
間に合う保証はないと言いながら、ちゃんと間に合わせてくれたのです。
所要75分、しめて100ユーロ弱。
本当にありがとう、ロン毛の運転手さん!
エーゲ海クルーズがおじゃんにならなくて良かった〜
フェリーに乗って、ようやく一息つけた私たちでした。
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